雪村のプロデュースを始める前から「串」には興味がありました。それまで焼鳥屋は居酒屋っぽい店舗が主流。肩すりよせてガヤガヤするような。そのイメージは日本でも海外でもそうでした。
もっと、ゆっくり話や食事ができるような雰囲気の焼鳥屋を作りたかったんです。焼酎や日本酒だけでなくて、片手にワイン、片手に串を持った女性が語り合うようなスタイル。そういう店を作りたいという思いがはじまりでした。
もうひとつ串というカタチにこだわったのは、高級食材をもっと気軽に食べていただきたかったから。高級食材を使う料理は、ナイフとフォークが要るような非常にかしこまった感じ。それを串に刺してしまえば気楽に食べられるんじゃないかって。高級食材を串で気軽に、そしてスタイリッシュに食べられる店。それが雪村のコンセプトでした。
だからシェフも、あえてフレンチの人間を探しました。焼鳥の固定概念や先入観のない、新しい分野の人間を使ったらおもしろいかもしれない、と。ネーミングにも悩みましたが、偶然見た雪村周継の絵で「これだ」と感じました。水墨画は昔からの文化。でも、周継の絵はあんなにも創造性があり、新しい。文化を感じさせながら非常にクリエイティブ。僕が考えるコンセプトからも、「雪村」だと思いました。 |